" /> 一冊の小説を書き上げるまで――8万字の物語との向き合い方 - 北木右京公式ページ
北木@創作ノート
kitagiukyo

📘 小説家 北木右京
Amazon Kindle各部門にて、ベストセラー1位を獲得した実績を持つ。

著書:
📗『相貌失認 ― やがて見つけた希望の光』

📗『無菌室のランナー ― ガラス越しに見上げた春の空』

📗『ノーマライゼーションの風景――ここにいていい』

📗『素顔の在処(ありか)』

📗『リストランテ・リラサーレ』
📕『北木@創作ノート』

相貌失認、無菌室、ノーマライゼーション、夫婦関係など、

人と人との関係性を見つめる題材を通して、

「人は人をどう認識し、どう理解するのか」という問いを軸に
小説を執筆しています。

異なる背景や価値観を持つ人々が出会い、支え合い、
ときにすれ違いながら変化していく姿。

一人ひとりの人生が交差する中で生まれる感情の揺らぎや、

人と人との間にある目に見えないつながりを描き、

人間の心の奥にある希望や再生を紡ぐ物語を書いています。

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一冊の小説を書き上げるまで――8万字の物語との向き合い方

ライティング

はじめまして、またはいつも読んでくださっている皆さまへ。

北木右京(北木@創作ノート)です。

声・気配・言葉――
目に見えないものの中に、人の本質が宿っている。

そんな気づきをもとに、希望と再生をテーマにした創作を続けています。

今回は、一冊の小説がどのように形になっていくのか、

執筆から推敲までの過程について綴ってみたいと思います。

8万字以上の長編をどう進めるのか

細かな構想を決める前の段階で、

まずどのくらいの長さの物語を書くのかを決めます。

精神論ではないのですが、最初に心に決めなければ、作品は完成しません。

「この一冊を書く」と決めること。

そこから執筆が始まります。

8万字以上と書きましたが、わたしは原稿用紙で執筆しています。

書き進める時は、パソコン上の文字数ではなく、原稿用紙換算で何枚書いたかを基準にしています。

文字数は、パソコンへ入力した時に初めて明らかになります。

作品によって異なりますが、400字詰め原稿用紙で200〜300枚程度です。

毎回、原稿用紙何枚を目安に書くのかを決めています。

おおよそですが、一回の執筆で7〜11枚の範囲。

特に多いのは、毎回10枚を書くことです。

例えば『ノーマライゼーションの風景』は、原稿用紙約200枚でした。

毎回10枚書けば、20日ほどで200枚になります。

もちろん、日によって書ける量は変わります。

しかし、

「今日は15枚書けたから、次は1枚でいい」

「今日は1枚しか書けなかったから、次で取り戻そう」という考え方では続きません。

毎回3枚なら3枚を続ける。

大切なのは、一定のリズムを保つことです。

執筆はリズムがとても重要です。

同じリズムを刻み続けることが、最後まで書き続ける力になると思っています。

最初から最後まで順番に書くのか

基本的に最初から最後まで順番に書いていきます。

長編になるほど、途中の場面だけを書いていると、物語全体の流れを見失ってしまうからです。

初稿――書き始めの段階では、思い浮かんだことを書き進めていきます。

この段階では、細かな部分が完全に整っているわけではありません。

登場人物の名前や場所など、後から修正が必要になる部分があっても、まずは書き進めます。

最優先するのは、目標枚数まで一度作品を書き上げることです。

また、書き進めている途中で、「前のページに書き加えたい」

「ここは後で直したい」と思った場合は、その場でメモを残しておきます。

書き直し(推敲)はどの段階でするのか

書き直しは、何度も行います。

わたしにとって本当の執筆は、初稿を書き終えてから始まります。

初稿は、まだ作品として整える前の状態です。

何を描きたいのか。何を表現したいのか。

どのような物語として届けるのか。

書き直しを繰り返すことで、少しずつ明確になっていきます。

初稿を書き上げたことで、すべて終わったと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、わたしが思う「書く」ということは、書き続けること。
そして、書き直し続けることです。

推敲も基本的には、最初から最後まで順番に行います。

野球やサッカーで例えるなら、書き直しとは練習と同じです。

日々バットを振り続ける。
シュート練習を繰り返す。

その積み重ねによって、試合でどれだけ力を発揮できるのかが決まります。

執筆における推敲も同じです。

思うように表現できなかった部分を見直し、少しずつ精度を高めていく。

根気のいる作業ですが、一冊の作品を完成させるためには欠かせません。

何度も推敲を重ねていると、不思議なことに終わりが見えてきます。

感覚的なものですが、

「ここまでで完成できる」という瞬間が訪れるのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

書くことで、見えないものに光を灯す――

これからも静かに、言葉を紡いでいきます。

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