はじめまして、またはいつも読んでくださっている皆さまへ。
北木右京(北木@創作ノート)です。
Kindleにて、希望と再生をテーマにした作品を発表し、
複数作品でベストセラー1位を獲得しています。
声・気配・言葉――
目に見えないものの中に、人の本質が宿っている。
そんな気づきをもとに、
言葉にならない感情や、
人と人との距離を描く物語を書いています。
居心地のいい場所とは
『リストランテ・リラサーレ』は、
イタリア料理店を舞台にした物語です。
料理の専門的な話ではありませんし、
天才シェフが成功していく話でもありません。
リストランテは、いろいろな人がいて成り立っています。
誰と働くのか。
居心地のいい働き場所とは何か。
ある意味、永遠のテーマを軸に据えた群像物語です。
華やかな成功譚ではなく、
人と人との信頼や積み重ねによって形作られていく
“店と人”の成長を描きました。
現実のどんな職場でも起こりそうな出来事を、
『リストランテ・リラサーレ』の中へ散りばめています。
”店”があなたのとっての
職場・学校。家族・コミュニティへ置き換えたとき、
あなたの目に写る風景はどのように変わってゆくのでしょう?
リストランテ・リラサーレが何かのきっかけに
なればと思っています。
「誰と働くのかを選んだ人たち」
誰と働くのか。
これは、一日の大半を過ごす「職場」という場所では
とても大切なことです。
もちろん、給料や休日、福利厚生も大切です。
でも、もし一緒に働く人が、
気の合う人だったら。やりやすい人だったら。
仕事への気持ちや取り組み方も
少し変わってくるのではないでしょうか。
わたし自身、
「どこへ行くのか」より、
「誰と行くのか」を大切にするタイプです。
主人公の親友・宮本は、
二つ星店のシェフソムリエを辞め、
リストランテ・リラサーレへ来ます。
自分から名乗りを上げ、新しい店へ飛び込みました。
給料も、決して良くありません。
それでも宮本は、
「誰と働くのか」を選んだのです。
主人公の後輩・成宮もまた、
いくつもの有名店から誘いを受けながら、
先輩である主人公の店を選びました。
薄給だと説明を受けたにもかかわらず
成宮もまた、
条件ではなく、「誰と働くか」を選んだ人間です。
成宮が、なぜリストランテ・リラサーレを選んだのか。
その答えは、
物語の中に書きました。
あなたにとって、
働く場所で大切なものは何でしょうか。
わたしが描いた
「誰と働くのか」も、ひとつの価値観に過ぎません。
それでも、
人間関係を理由に転職する人が多いのは、
きっと偶然ではないのだと思います。

なぜ『リストランテ・リラサーレ』を書いたのか
まず単純に、リストランテの物語を書きたいと思ったからです。
ドラマの影響を受けて――というわけではありません。
イタリアンは、とても身近な料理です。
パスタを代表するように、麺好きな日本人にとって、
食べやすく、親しみやすい料理でもあります。
けれど、イタリアンという料理そのものや、
シェフの華やかな成功を書こうと思ったわけではありませんでした。
オセロの白と黒のように、正反対の人がいる。
タイプが違っても、同じ方向を向きながら、少しずつ明日を良くしてゆく。
そんな人たちを描く群像小説を書きたいと思ったのです。
料理の世界は、特に人の出入りが激しい場所でもあります。
辞めてゆく人もいるでしょう。
次のステップへ進むために、店を離れる人もいるでしょう。
けれど、出入りがあることは、決して悪いことではないと思っています。
そこにいた時間の長さではなく、
その場所に愛着を持っていたかどうか。
そこに人と場所との関係が表れるように感じています。
人の流動が激しい世界の中で、どんな場所に人が残ってゆくのか。
誰と働くことで、人は変わってゆくのか。
『リストランテ・リラサーレ』では、そんなことを書いています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
書くことで、見えないものに光を灯す――
その小さな灯りを、これからも静かに紡いでいきます。
もしよければ、「読者になる」から
この言葉の旅をご一緒いただけたら嬉しいです。
【作品情報】
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