はじめまして
またはいつも読んでくださっている皆さまへ。
北木右京(北木@創作ノート)です。
Kindleにて、希望と再生をテーマにした作品を発表し、
複数作品でベストセラー1位を獲得しています。
声・気配・言葉――
目に見えないものの中に、人の本質が宿っている。
そんな気づきをもとに、
言葉にならない感情や、
人と人との距離を描く物語を書いています。

『素顔の在処』を通して考えた「理解の限界」
同級生の夫婦の物語を書こうと思ったことが、
『素顔の在処』を執筆するきっかけでした。
二人は中学生の頃に出会い、再会を経て夫婦になります。
長い時間を経て再会した相手には、
記憶の中の印象が強く残っています。
しかし、実際に共に暮らし始めると、
思い描いていた人物像との違いが少しずつ見えてきます。
強い印象を抱いているほど、
現実との違いに戸惑うことがあります。
その戸惑いは、「相手を理解している」という感覚を揺るがします。
「素顔の住処」では
理解の限界に直面したとき、
人はその現実をどう受け止め、
どう関係を築いていくのかを描こうとしました。
登場人物が“わからなくなる瞬間”
主人公が妻の変化に気づく象徴的な場面があります。
それは、妻が作った弁当を開けた瞬間です。
大人びていて落ち着いた印象を抱いていた妻。
しかし、その弁当からは、
主人公が想像していなかった一面が見えてきます。
人は急にわからなくなるのではなく、
小さな違和感の積み重ねによって、
少しずつ相手を見失っていくのではないでしょうか。
その最初のきっかけとして、この場面を書きました。
「関係性が変化する瞬間」をどう描くか
人は誰しも、
同じ相手と長く関わる中で関係性が変化していきます。
それは年齢を重ねることと同じように、
ごく自然な変化です。
恋愛の時期には、相手によく見られたくて
背伸びをすることもあります。
でも結婚して、
同じ時間と空間を共有するようになると、
見えていなかった部分も自然と見えてきます。
相手への印象は変化し、
関係性もまた変わっていきます。
『素顔の在処』では、
そうした変化を受け入れながら
共に生きていく姿を描こうとしました。
人はそれぞれ、
人生の中で訪れる変化と向き合いながら生きています。
この作品が、
そんな人間関係について考えるきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
書くことで、見えないものに光を灯す――
その小さな灯りを、これからも静かに紡いでいきます。
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